ハウスクローバーの理念は、「住まいを通じて、人々の暮らしの豊かさに貢献する」です。
住まいの分野で様々なイノベーションを起こし、その結果として暮らしの豊かさに貢献することこそが、我々のミッションです。
よくある聞こえの良い言葉ではありますが、何をどう豊かにするのか。その具体的な内容について触れられることは多くはありません。
「豊かにする」という言葉は、フワッとしていて聞き感触の良い言葉ですが、何をどう豊かにするのか。
その内容について語られることは少ないのではないでしょうか。
そこでここでは、具体的にハウスクローバーが何をどうやって暮らしの豊かさに貢献していくのかをお伝えできればと思います。
バブル崩壊後、日本は貧しくなった
これはいろんなところで言われていますが、バブル期には「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とモテやされ、敗戦国であった日本は目まぐるしい経済発展を遂げました。
「出典:厚生労働省 平均給与(実質)の推移(1年を通じて勤務した給与所得者)」
日本の平均給与のピークはバブル崩壊後の1992年あたりで、この時はスイスに次ぐ世界2位でした。
そこから失われた30年が続き、リーマンショック後を底にやや持ち直してはいるものの、バブル前よりも下がっています。
一方で他の先進国は平均給与を伸ばし、日本は現在G7で最下位になっています。
しかも所得が下がっているだけでなく、その間に社会保険料や税金の負担が増え、可処分所得(自由に使えるお金)は減っています。
つまり日本はバブル期以降、一貫して貧しくなっているのです。
所得を増やさずに暮らしを豊かにするために
それでは、どうやって暮らしを豊かにすればいいのか。
所得を上げるのも一つの手ですが、デフレマインドに沈んだ日本で急に所得を上げるのは非常に困難です。
実際これまでに政府が所得をあげようとしても失敗に終わっています。
しかし、暮らしを豊かにするためにできることがあります。
それは支出を減らすことです。
住宅に資産価値を推奨する理由
ハウスクローバーでは、住宅に資産価値を求めることを推奨しています。
その理由は、資産価値のある住宅を購入するということは、結果として住宅支出を減らしてくれるからです。
この図のように、住宅支出をトータルで下げることができれば、収入が変わらなくても浮いたお金ができることになります。この浮いたお金を他の支出や余暇に回すことができれば、暮らしは豊かになると思いませんか?
資産価値のある家が暮らしを豊かにするメカニズム
それでは資産価値のある家がどうやって住宅支出を減らしていくのかを説明していきます。
例えばある中古マンションを購入して10年後に売却した場合と、同等クラスの物件に賃貸で10年住んだ場合の比較をしてみます。
中古マンションを購入した時と賃貸した時の違いを比較
同じマンションで同等の部屋条件で、レインズに記載されている成約事例と賃貸事例を元にシミュレーションします。また諸費用については、ほどんど住宅ローン減税で戻ってくるので、ここでは考慮しないことにします。
例えば、4,000万円の中古マンションを購入した場合と、賃貸した場合を比較していきます。
まず購入した場合の前提条件として、住宅ローンを物件価格分、4,000万円を1.5%で30年借り入れたと仮定します。この場合、月々の返済は約138,000円になります。
この他に修繕積立金や固定資産税などの所有コストがかかります(管理費や駐車場代は賃貸でもかかるため割愛します)。
この物件の所有コストを、月々にならすと約3万円になります。
一方で同等の物件を賃貸で借りた場合、月々の家賃は約18万円です。
比較すると、毎月のランニングコストは以下のようになります。
住宅コスト | |
購入した場合 | 168,000円/月 |
賃貸した場合 | 180,000円/月 |
物件にはよるものの、今回のケースだと、やや購入した方が得となりますね。
それでは10年後に売却をした時のシミュレーションをしていきます。
10年間に支払った利息の合計は、約517万円。住宅ローンの残債は、約2,860万円です。
所有コストの10年間の合計は、360万円です。
10年後に売れた金額が3,500万円だっとします。そうするとこの物件での損失は、
売却損 | 500万円 (4,000万円−3,500万円) |
支払い利息 | 517万円 |
所有コスト | 360万円 |
10年間の住宅支出 | 1,377万円 |
ちなみに3,500万円で売却した場合、住宅ローンの残債は2,860万円なので、手元に640万円残ります。
これは貯金をしていたようなものですね。
持ち家が資産になるというのはこういうことを言います。
一方で賃貸の住宅支出は単純に10年分の賃料の支出になりますから、両者を比較すると、
購入時の住宅支出 | 1,377万円 |
賃貸時の住宅支出 | 2,160万円 |
差額 | 783万円 購入した方がお得に |
中古マンションを購入した方が783万円もお得になるわけです。
資産価値のある家とは、買った時の価格が高ければいいことではなく、買った時と売った時の差額が小さい(もしくはプラス)家のことを言います。
つまり価値が下がりにくい物件を買っていくことで、暮らしを豊かにすることができるのです。
自宅投資が活発な欧米
このような考え方を自宅投資と私たちは呼んでいます。
投資と聞くと利益を出すことと考えてしまいがちですが、何も利益を出さなくてもいいのです。
もちろん利益が出れば最高ですが、今の市況を考えると中々難しいかなと思います。
そして自宅投資は欧米では一般的な考え方です。
世界で最も不動産市場が発達しているアメリカでは、平均的な人で一生のうちに5、6回住み替えると言われています。
家族の人数やライフステージによって住み替えていくことが一般的です。
中古住宅を購入して、価値が落ちないようにDIYでリフォームでメンテナンスをしつつ、買った時とあまり変わらない値段で売却することで、生涯の住宅支出を減らし暮らしを豊かにしていきます。
私たちが考える理念に掲げている「住まいを通じて、人々の暮らしの豊かさに貢献する」というのは、まさにこのような世界を実現させたいというものです。
収入が上がらなくても、支出をコントロールすることで暮らしはより豊かにできるのです。
不動産エージェントが必要な理由
今の日本で、自宅投資の考え方を持って家を買えば、暮らしを豊かにすることができるか?
答えは「No」です。
この考え方を知ることはもちろん大前提として知っておくことはとても大切なことです。
しかし、考え方を知っているだけでは成功するかしないかは、今の日本の不動産市場では不透明なのが現実なのです。
情報が全て公開されているアメリカ
先ほど、世界で最も不動産市場が発達しているのはアメリカであるという話をしました。
理由は、全ての情報が蓄積され一般の人にも公開されているからです。
ある物件のこれまでの成約価格やリフォーム事例など、全てネット上で閲覧することができます。
ですからアメリカにはプロと消費者の間に情報格差はありません。
不透明感や情報が不足する日本
一方で日本はどうか。
日本は最近でこそ少しは改善したものの、以前まで先進国で不動産市場の不透明性が先進国で最下位でした。
成約事例などはレインズといって不動産業者だけがアクセスできるデータベースに蓄積されているのですが、そもそも成約価格の登録に強制力がないため、情報量自体も少ないのです。
そんな中で頼りになるのは、やはり不動産業者の担当者の相場感や経験だったりするわけです。
しかし日本の不動産業界は、プロと消費者と情報格差を正しく利用していない業者が多数存在しています。
つまり業者の儲けが優先され、消費者の利益が蔑ろになっているケースが後を立ちません。
業者にとって利益が大きい物件は実は買ってはいけない物件だったりすることも多々あります。
買ってはいけない物件を買った人の末路
仮に先ほどの購入と賃貸との比較事例で、4,000万円で買った家が10年後に売却した時に2,500万円にしかならなかったらどうでしょうか?
同じように比較すると、
購入時の住宅支出 | 2,377万円 |
賃貸時の住宅支出 | 2,160万円 |
差額 | 217万円 購入した方が損に |
さらにこのケースだと、住宅ローンの残債が2,860万円ありますので、差額の360万円を一括で支払うことができないと、債権者である銀行が抵当権を外してくれないので、売却することができません。
支払うことができなければ任意売却や、最悪の場合、競売なんてこともあります。
はっきり言ってこんな家を買うくらいであれば、賃貸の方が遥かにいいです。
こんな物件は都市部ですら存在しており、まさに玉石混合なマーケットなのが今の日本の不動産市場なのです。
どんな物件を選べばいいのか。どうやって情報格差を埋めるか。
その課題を解決してくれるのが、不動産業者の担当者、つまり不動産エージェントなのです。
担当者を選ぶ文化のあるアメリカと、サービス競争のない日本
アメリカでは、物件の情報は全て公開されているだけでなく、担当者もネット上で探せるようになっています。
対応エリアやこれまでの取引履歴、顧客からの評価などの情報が充実しているのです。
担当者は顧客から選ばれるようにサービスの向上に余念がありません。
だってサービスが粗悪で悪い評価がつけば、商売が成り立たなくなってしまうのですから。
一方で日本はどうでしょうか。
日本はSUUMOなどの物件情報サイトが強いこともあり、物件で集客する文化です。
日本でもアメリカのように基本的には誰からでも同じ物件が購入できる仕組みになっていますが、担当者で選ぶという文化がないため、サービス競争は一切ありません。
物件で競争しているので、いかに新鮮な物件情報を掲載するか。いかに物件情報を独占するか(囲い込みという業法違反)を考えていて、物件に問い合わせが来たらとにかく全力でその物件を売ります。
その物件のいいところばかりを説明して、言わなくてもいいデメリット(将来的な資産価値や適正な予算など)についてはほとんど教えてくれません。
しかし、日本のような市場こそ担当者が果たす役割が大きいのではないでしょうか。
ハウスクローバーのVISION
私たちハウスクローバーは、一人でも多くの人に、住まいを通じて暮らしの豊かさを実現して欲しいと願っています。
そしてその実行援助をする誠実で優良な不動産エージェントとマッチングできるプラットフォームを提供し、予算のシミュレーションや物件探しの自動化など、ITを利用した方がいいところは積極的に活用して、このVISIONの実現を目指していきます。